2011/07/31

Velocette Viper 1958


新しい仲間は黒猫、ではなくVelocette Viper!! バイパーは350ccのスポーツモデルで、500ccのベノムとの兄弟車になります。(ちなみに圧縮比はバイパーの方が高い仕様。) この車両、大家さんから「お借り」することとなった次第です。話せば長くなるのでばっさりと割愛しますが、以前の家の前でトライアンフをいじっている時に声をかけられたことが元々のきっかけでした。そして今は彼が所有するフラットの一つに住まい、彼の愛車を触らせていただくことになるとは不思議なものです。

大家さんが70年代半ばに購入し、ここ20数年はずっと納屋にしまわれていた車両。何度か譲っていただけないかとラブコールをしていましたが、色んな思い出がつまっているから今はまだ手放したくない・・・と言われていました。ここ数ヶ月、私がトライアンフのリファービッシュをしていることも知っていたので、その完成した車両を見て「こいつだったら無茶なことはしない。」とようやく思ってもらえたのかもしれません。駄目もとで今度は「良かったら貸していただけませんか?」というあつかましい問いに二つ返事でOKをいただきました!レストアをする訳でなく、エンジンをかけて走ってみるところが一先ずのゴールです。雨ざらしではなかった為、じっくりといい感じに錆びた「年輪」は全てそのまま残します。10年ほど前に、九州のオルドゲートさんに展示されてある一台のベロセットのエンジンを掛けていただいた時の興奮がどこかに残っており、いつかもっと知ってみたいと思っていました。また、日本に一時帰国した際にガレージへお邪魔した、大阪のS氏からベロセットのフレームのつくりなどを説明いただいたことも鮮明に記憶に残っております。




一番上の写真は、1956年当時の大家さんとお兄さんの写真。まだROCKERSという言葉が生まれる前の、Ton up boysやCoffee Bar Cowboysと言われていた時代です。You Tubeでも当時の興味深い映像が見られるのでまた紹介できればと思います。




タイトル「魚を狙う猫」

べったべたですみません。一度やってみたかったこのショット。丁度いい具合に、最近慣れてきたクロネコが庭に遊びにきたのでご協力いただきました。最初は慣れているような素振りを見せるだけで、こっちが近づくと猛ダッシュで逃げていっていたのに、最近は何とたまに触らせてくれるようになりました。でもまだ、「たまに」なんですが。




こちらは我が家の庭の常連のもう一方。よだれ掛けをしてるようなので「ビブ」と呼んでいます。黒い方はべたに「クロ」と呼んでいるのですが、日本語で話しかけているせいか、今のところ意志の疎通は出来ておりません。笑 良く見ると、後ろにはストーカー中のクロがおります。最近よく2匹がバッティングし、素っ気無い態度のビブに対し、じりじりと間合いを詰めてくるクロとのやりとりを眺めては楽しんでいます。




トライアンフもしばらく前に仕上がっております。イギリスに来てすぐに手に入れた愛車です。これまでは手荒に乗り倒してきましたので、少しでも恩返しできたのではないかと思います。またシート作製話などを改めて紹介させていただきます!




バイクバイクバイクだと一日があっという間に過ぎていくので、休憩がてら近場までサイクリング。ほんの10分ほど走るとこんな森があるのです。400年以上も前から変わらずにあるのだそうな。ロンドンも最近はようやくまた夏が戻ってきました。

2011/07/30

2011/07/27

"Rustless" MBR's Online Shop

Photo by MJ

オンラインショップに新しく「Vintage Tools」と「Automobilia」セクションを追加!英車ライフに彩りを添えるアイテムもこれからは紹介させていただきたいですね。もちろん、英車好きの方にも「イギリスのガレージ」の雰囲気を楽しんで頂ければ幸いです。古いものに対して、何にでも良いとは言えませんが、しっかりとしたつくりや、そのデザイン性は利便性や効率を追求した現代にはない温かみがあります。バイク好きはバイクにしか興味が無い、という訳ではなく、不便なものを美意識によってわざわざ選んでいる「センス」がそこにはあるのですから、そこから自分の価値観を広げていくことによって、自分の好きなものが根幹にある、自分なりの「ライフスタイル」となっていくのでしょうね。そう言えば、少し前に雑誌「Cycle Headz」の方がイギリスに来られており、「趣味」から「ライフスタイル」への昇華について興味深いお話を聞くことが出来ました。ようするに、「趣味」から始まったものが、自分の生活自体の動きを左右してくるようになると、それはもはやただの趣味ではなく「ライフスタイル」となる、といったものでした。何となくおぼろげで感じていたことが、明解な文章になったため、まさに「腑に落ちた」という言葉がぴったりとはまった出来事でした。

Photo by MJ

Founders Day 2011



久しぶりのオートジャンブル(部品市)。今回は部品や本だけでなく、古いツールなども物色して楽しんできました。



こうやって売りに出ている車両を見るのも楽し。物によってはヒストリーが書かれているものもあります。


珍しいGPレプリカ。リアフレームなどは本物のGPパーツが使われているとの事。



シリンダーが短いのは、250ccが故。1953 JuniorTT用に組まれたマシンだそう。





アメリカから戻ってきたインター、レストアベースとはいえ中々手が出る値段ではありませんでした。このイベントはガーデンゲートのインターがチラホラと売りに出てました。



トライアルマシンのデモ走行。



一台ずつエンジンをかけ、敷地内をぐるっと回る間にマシンの紹介がされる、という趣旨。









Halesonという上のマシンの機構。



イギリス人はまったりが上手。





ノートンコマンドー・ファストバックのこういうカスタムはあまり見たことがありませんでしたが、綺麗にまとまっていますね。

2011/07/25

Stowe Landscape Gardens


Founders Dayの前日、久しぶりに小旅行。道中にあるナショナル・トラストに立ち寄ってみる。ここはStowe Landscape Gardens (ストウ風景式庭園)。莫大な敷地は全てもともと貴族の私有地だったそうで、ようするにこれは全て「庭」なのです。古代ローマ時代の雰囲気を礼拝堂やアーチなどに取り入れ、18世紀にこの庭園が造られた、とのこと。


延々と続く木々のアーチ、人が小人のようです。


見事な木。その下では羊達がまったりと。



小石のモザイク。星座のシンボルや動物がちりばめられています。







2011/07/23

VMCC Founders day


Vintage Motorcycle Club主催の「Founders Day」に明日行ってきます。毎年テーマがあるのですが、今年は「Road Racing Machines」ということで楽しみです。ちなみに去年は「Rudge」がメインテーマで、ブロンズヘッド・4バルブのマシンがこれでもかというぐらい集まってました。(写真はExcelsior。磨き倒されたブロンズヘッドは妖艶な輝き。)

アクシデント・レポート:
地元の派出所(毎日開いていない)にて事故をレポート。その後、メインの保険ブローカーに連絡したところいくつかたらい回しにされ、最終的にようやくこの車両の保険を受け持つ会社につながる。近日中にバイクショップにて修理費用の見積もりを出してもらったところで、保険会社からインスペクター(ダメージを検査する人)が訪れ、そこから保険額が決定する運びとなるようですが、スムーズに行くことを願います。

2011/07/20

Incident

 本日、事故にあってしまいました。雨降りの中、こちらはただまっすぐ走っていたのですが、横道から突然出てきたポルシェを避けることができずスリップしつつコテッと。そうしたら先方が「お前のライトがついていなかったからだ。」「車とは当たってない、お前が勝手にこけただけだ。」などと言い出し、ポジションを付けて走っていたと言っても「こけてから今オンにしたんだろう。」とのたまう始末。

警察はこの程度のことでは現場にも来てもくれないので、これから面倒くさそうです。体は軽い擦り傷、打ち身で済んだことが本当に幸いでした。しかし、体に傷を負っていないため、当たったどうかもはっきりとは分からない「自爆」に近い事例は事故としてのサイズが小さいので正直こちらが泣き寝入りすることが多いようです。(恐らくタイヤ同士がぶつかっているので車への目視でのダメージが確認できない。)体に傷を負わずに、相手の車両にはほぼダメージがなかったため、避けようとして転んだこちらが泣き寝入り?この構図は到底理解できません。

そもそも、先方が非さえ認めてくれれば気も楽ですが、「認めれば負け」とまだ思い込む人間が多いので、こちらをうそつき扱いする態度だけは許せません。実際、明らかに悪いのに非を認めないせいで余計にトラブルになったりするんだそうです。一先ず部分的にでも非を認め、体を気づかった後、冷静に事故の状況を分析していくに限るんでしょうね。

とりあえず保険会社の下請けに連絡しましたが、明日は大本の会社にも連絡して、警察にレポートして、バイクのダメージ(恐らくフロントフォークが曲がってる)を見てもらいにいったりしなければなりません。イギリス事故レポート編、はじまります??



今の心境を表すならこんな一枚?
(スコットランド紀行より 一応野生のアザラシ)

2011/07/18

Motorcycle Classics vol.5 Sammy Miler and GOV132

 

とっくの前に発売中のモーターサイクル クラシックス Vol.5。ぐだぐだと遅くなりましたが、今号に寄稿させていただいた、「荒野を駆け抜けたサラブレッドたち」から今回はサミーミラー編をお届けいたします。


言わずと知れた、常勝を誇ったArielのHT5、GOV132。特集の一枚目に使っていただいたカットです。


ミュージアムに併設されるレストアルームにて。



 ミュージアム編に登場する、ミラー氏の「敢えて言うなら」思い入れの強いベストは車両である、1939年式のAJS 水冷V4 レーサーが目に飛び込んでくるレーシングマシン・セクション。その後ろの車両はポーキュパイン。車両は飾ってあるだけでなく、イベントでは惜しげもなくエンジンを掛け、デモ走行を行ってしまうのです。


ミュージアムの2階は自然光が差し込み、大きな納屋にいるような落ち着いた雰囲気。



SHS (サミュエル・ハミルトン・スペシャル)はミラー氏が10代の頃に手がけた一台。こちらの車両はそのレプリカですが、彼のマシーン・ディベロップメントの原点とも言える一台。GOV132とのツーショット。


サミー・ミラー氏が2ストのブルタコへ移籍するまで、勝利を重ねに重ねたGOV132は彼のアイデアが盛り込まれた、まさにスペシャル。詳しくは是非記事をご覧ください。






お忙しい中、熱心に説明してくださいました。
Photo by MJ


足を運ばれる際は、たっぷりと余裕を持ってお出かけください。敷地内にあるカフェでの食事もお忘れなく。また、オートジャンブル(部品市)やミーティングも開催されているので、日程はウェブサイトをチェック。


Sammy Miller Museum
Bashley Cross Roads, New Milton, Hampshire, BH25 5SZ
Tel: 01425 620 777



取材時はミュージアムに一番近いB&Bに宿泊しましたが、良く手入れされた素敵なコテージでした。春先でしたが、天気も悪く寒かったので蒔きストーブが大活躍。パチパチという音と、じんわりとした温もりを感じながらのウトウトはそれはそれは気持ち良いものでした。朝食は絞りたてのジュースや手作りのパンで大満足。

2011/07/17

Trusty old machinery


 最近、トライアンフのプロジェクト完遂のため?購入したシンガーミシン。厚手のものが縫えるように「ウォーキングフット」という、上下送りのマシン。部屋にデンと鎮座してしまうので、機能性も大事ですが、そのデザイン自体も納得のいくものを選びました。50~60年代のものだそうですが、頑強なつくりで、綺麗な縫い目を古いとは言え侮れません。英語では「一生ものだ」、という意味で「Last Long」と言いますが、まさにその言葉がしっくりくるものです。そして、このマシンを駆使して久々のMBR レザーアイテムも鋭意製作中ですので、近々ご紹介させていただきます!



 去年のマン島以来、めっきりと乗る回数が少なくなってしまったゴールドスター。飽きる、飽きないではなくて、相応しい場所で乗ってこそ、その楽しさが十二分に味わえると痛感してしまった訳です。色々と調整していた頃は、街中の渋滞も「クラッチのテストだ」などとそれも楽しんでいましたが、調子が良くなってしまうとわざわざ渋滞に乗り込んで行く気にはなりません。ここしばらくはトライアンフを構いっきりだったので、住処から少々離れたガレージ(というか物置?)に風雨を凌がせるためにしばらく停めていましたが、それでは更に宝の持ち腐れ、ということで家のリビングにぶち込んで見ました(一度これがやってみたかった~。)ちなみに、アルミタンクに載せ変えて、キャブも軽くクリーナーで掃除。部屋にガソリンの匂いが充満しないようにしています。キッチンもすぐ横にあり危ないですし。走ろうと思えば、いつもの黒タンクに載せ変え、ガソリンを入れるだけなので10分ほどで準備完了となるわけです。愛車との距離が近い、いつでも愛でることが出来るという点で最高です。折角だから、棚でオブジェと化しているGPキャブに戻してしまおうかとも思案中。

RUSTLESS



[MODE BY ROCKERS]という言葉が生まれたのは今から14年ほど前。


ROCKERSは英車に乗って、ルイスレザーズを着れば出来上がりなのか?
それじゃつまらない。「今」という進行形だからこそ、
「生き方」たり得るのだ、と興奮して生まれたこの言葉。

ROCKERSの本場であるロンドンに2004年より移住し、
かねてからの目標であった、「イギリスで英車に乗る」ことを実行すべく
すぐさま71年製のTriumph Bonnevilleを入手。


その後、永年の夢であったBSA GOLD STARを遂に2008年に入手。

そして「MODE BY ROCKERS」という言葉が
自身の在り方にとって手狭に感じるようになって早数年。


次の方向性を模索しているときにふと頭に浮かんだ言葉。
[M]ode [B]y [R]ockersの頭文字を反転すると R B M。

そこに[Rustless] [B]ritish [M]otorbikes と当てはめてみる。

[Rustless]とは「Rust」(錆)が無い状態を指し、
錆びていない、という意。

古いものには当然錆びもあれば「やれ」もある。
しかし「クラシック」と言われ愛されるものの魅力は「錆びる」ことはない。


美しく錆びゆく「錆びないもの」たちを
ROCKERSという枠組みを越えて自由に発信したい。



1950年代や60年代にTON UP BOYSやROCKERSだった若者が、
カフェレーサーへの情熱からその後にモーターサイクルのスペシャリストや、
ジャーナリストとなっていったように、自分も「ROCKERS」から始まった歩みを
彼らの様に「進む」ことで、大事にしたい。

そしてROCKERSを軽薄なファッションだけのものとしてではなく、
「生き方」として提示できるように、その「一つの例」になれれば本望ではないのかと。

だからこそ、「ROCKERS」という言葉は
もう声に出してわざわざ言う必要は無くて、
自分の中でしっかりと持っていればいいスピリットなのだ、と。

それが、イギリスに移り住み、そのカルチャーにのめり込んだ
自分が今のところ、辿り着いた答え。

モーターサイクルと向き合うことは自分と向き合うことであり、
他人に誇示するものではなくて、自分を深めていくこと。
何事もゼロから初め、到達していく。
他人と比べる必要は無いのだ。


先人たちへの畏敬の念と、
その価値観の共有。


これまでの自分が培うことができた、レザークラフツマンとしての
素材との向き合い方に似ている。

そして、その姿勢をものづくりの一貫として
写真や文章にも投影させたい。

それらを通じて少しでも共感してくださったり、空気感を感じていただければ、
ライフスタイルとしてのROCKERSの「種」になるのではないか、と信じています。

という訳で、まずはブログから一度仕切り直しと相成りました。

そして、これまで支えてきてくださった方々への
感謝もしっかりと心に留めて参ります。


改めてよろしくお願いいたします。


2011年7月17日 MODE BY ROCKERS HIROYUKI