ぶらっと走る。
ロンドンから少し北に向かうことがある。
High Beech (ハイ・ビーチ)と呼ばれる、森の中に位置する広場。
ここには、緑に塗りたくられた小さなほったて小屋があり、
年中紅茶やらバーガーなどの軽食を提供する「ティー・ストール」がある。
![]() |
ティー・ストールは、移動式屋台だったり、掘っ立て小屋だったり。
紅茶やらバーガーやら、何せイギリス人がほっと一息つけるものが
おいてあれば、わらわらと車やバイクだかりができる。
こうしたティー・ストールは当時のROCKERS達がカフェの梯子に使ったりして
今でもロンドン市内に何箇所か残っていて、未だに
恐らく、昔から変わらないメニューを延々と売り続けている。
このハイ・ビーチもそうした場所の一つで、
確か戦前から続いている「由緒ある」掘っ立てカフェだ。
A406のノースサーキュラーを進み、A104にて北上。
しばらくすると一つ街を通り越す。そのままひたすら真っ直ぐ。
そうすると辺りは木々に覆われる。
ラウンドアバウトが見えてくるので、そこを左に折れて
数十秒で左手に見えてくる広場。
そこがゴール。
ひんやりとする秋でも、太陽が気持ちよく照れば、
待ちわびたとばかりに、こぞってバイカーが集まってくる。
モダンバイクから旧車まで、何でもござれ。
4輪もちらほらと。
ティーはこれ以上無いほどの安物のカップで供され、
ソーセージロールもワイルドだ。
しかし、これが旨い。
ざっと走って、森を進んだところにある目的地。
森林のマイナスイオンを浴びつつ眺める車両たち。
何気なく、赤の他人と交わす愛車についての会話。
長居せずに、さらっと走り去り、また入れ替わりに車両が入ってくる。
そんなダラっとした、森の中の時間の過ぎ方が好きだ。
![]() |
本日はスクーター御一行が到着。 |