2011/08/29

Rain, Rain, Rain


残暑という言葉が無縁なロンドンは最近雨続き。晴れた、と思いきや突然バラバラと雨が降り、止んで晴れ間が出たと思った矢先にまた降り始め。それでもさっと雨が引いて光が差し込むと、緑が多いロンドンは妙に艶っぽく見えたり。なんて思ったこの写真の5秒後に、大きな池のようになった水溜りを車がお構いなしに走りぬけ、盛大な飛沫をお見舞いしてくれました。水はけの悪い場所と「Wet Paint(ペンキ塗りたて)」には注意しましょう、そんなロンドンです。


壁に描かれた古い広告。この建物のオーナーが、きちんと保存しているのでしょうか。オリジナルのものはもっと剥げているはずなので、丁寧にレストアされているように見えます。建物に建造年が記されているものもありますので、街を徘徊する際に気にされてみても面白いかも?



ブルーの丸いプレートがちらほらあります。これは「ブルー・プラーク」と言い、著名人が住んでいたことや滞在したことなどを記すものです。ちなみにこれは、イギリスが誇る作家のチャールズ・ディケンズが一時滞在してましたよ、というもの。アリエルのスクエア・フォーやトライアンフの設計士として有名な彼の、エドワード・ターナーのブルー・プラークもサウスロンドンにあるのです。

Edward Turner
http://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Turner

日本人だと、夏目漱石が留学していた頃に住んでいた家にも、このプラークが掲げられています。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Natsume_Soseki_house_Clapham.jpg

他には、ビートルズのジョン・レノンとヨーコ・オノが初めて一緒に住んだ家、というのも。
http://www.english-heritage.org.uk/about/news/blue-plaque-for-john-lennon/


2011/08/25

Viper revs!


うちの居候バイパーもこんな具合に毒を撒き散らせるように調教せねば。



この前のチョイ乗りでは。何かの弾みでホーンが勝手に鳴ってしまうことも判明。大したことではないですが、この映画の1分10秒~22秒のような感じ・・・ちなみに 「リトル ミス サンシャイン」、いい映画です。

2011/08/24

Viper is ready to bite!

本日も、英国車に興味の無い方にはまったく面白くない内容でございます。されど、この僻地ブログをわざわざ見てくださっている方々には恐らく楽しんでいただけているはず!?

オイルタンクにはこのようなフィルターが戻り側の別室に装備されています。

キャブレターの掃除&パーツ交換、オイルの交換、オイルタンクの洗浄、ガソリンタップのコルク交換。マグネトーは何もせずとも綺麗な火花だ飛んだためそのまま。

クラッチは少し滑っている感があるけれど、きちんと作動。ギアの入りも問題なし(ワンアップ、スリーダウン)。そしてクランキングすると、きちんと圧縮があり、吸気・排気がきちんと行われていました。タペットもこの調子だと大丈夫だろうと、カバーはあけたものの軽くチェックして終了。

フレッシュなオイルを入れ、オイルの戻りを確認。エキゾーストパイプをつける前に、まずエンジンがかかる兆候があるか試しにキックすると反応あり!

胸弾ませながら、フィッシュテールマフラーを装着して何度かキックすると気持ちよく目覚めてくれました、ベロセット バイパー! マイルドながらタンッ、タンッ、タンッ、タンッと歯切れの良い排気音で、スポーツモデルなんだと実感。これだけでエンジンが息を吹き返したので、何だか拍子抜けしてしまいましたが、やっぱり嬉しいですね。



パイロットスクリューを弄くっても、エンジンの動きに全く変化がなく、チョークを引き上げるとすぐにエンジンが停止してしまうため少し悩みました。が、モノブロックの透視図を見ていると原因発見。スロージェットを横着して掃除していませんでした。すぐにチェックしてみるとやはり頭頂部が完全に詰まっていました。これで問題は無事解決。



フロートは念のため、油面が調整できるものに交換。ニードルはプラスチック製のものからトップがゴム製(?)のものへ。コンセントリックのニードルと比べてみると、ほとんど同じようですが互換性はあるのでしょうか?



調子に乗って、近所をすこーし走ってみましたがやっぱりエンジンはすこぶるいい感じです。まだほんの低回転しか使っていませんが・・・これからはクラッチ側のチェックに入ります。

2011/08/21

Velocette Oil tank repair at Tosh's garage



バイパーのオイルタンク上部のブラケットが破損していました。(ラバーマウントではない、このタイプには良くあるダメージだとマニュアルに書いてありました。スラクストンやクラブマンモデルは改善されているところなんでしょうね。)溶接の腕は全く持っておりませんので、ロンドンでプロのメカニックをされている小川さんにリペアをしていただきました。






オリジナルのステーの厚さ自体も頼りないものでした。その上にもう1枚補強が入っていたようですが、モリモリと溶接を持っていた割には数点でしかとまっていなかったとのこと。まずは1枚切り出して裏面にあてがい溶接。



そして表面に返し、本来のブラケットの欠けた部分を再生。



TIG溶接していただきました。



これで一安心。バイパーのオーナーも喜んでくれるはずです!



様々な工作機械が並ぶワークベンチ。グラインダーにしても、バイスの使い方にしても「手馴れた」という言葉がぴったりとくる流れるような作業に本当に感服です。手早く、確実に仕事を行う「プロフェッショナル」ということを改めて考えさせていただきました。自分が思っていたリペアよりも遥かに綺麗な仕上がりにしていただきました。溶接という技術があっても、どのようにリペアするのかはセンスと経験ですもんね。



 ロンドンのコアなヴィンテージ・ハーレー乗りに信頼されるMR.TOSHこと、小川さんは古い自転車に熱を入れ過ぎて、20-30年代の自転車用整備台まで入手。そういえば、次号のサイクルヘッズ誌にイギリスでのイベントの模様が掲載されると思いますが、氏はそのイベントのオーガナイザー「リンカート・アタックス」の面子でもあります。小川さん、いつもありがとうございます!

2011/08/19

One of the most Legendary Motorcycles, AJS Porcupine E90 & E95



スピードを求める貪欲さが、深ければ深いほど美しい。
極限まで削り取られた金属の塊は数学的な美しさがあります。




日本では「ポーキュパイン」としてSR用にタンクが販売されていますね。エンジンを大きく覆い隠す独特のシェイプのもので、下記で紹介するオークションに出品されている後期方のタンクがベースにされています。そもそもポーキュパインとは「針ねずみ」という意味で、冷却効果を高めるべく執拗なほどにつくり込まれた、このフィンの形状から名づけられました。



 サミー・ミラー ミュージアムの目玉の一台でもあるポーキュパインは、世界で現存する唯一の走行可能な車両だと謳っており、実際AJS関連のイベントなどでサミー・ミラー氏本人がデモ走行を行うこともあります。



この写真は2010年の夏に行われた、AJS&Matchlessの記念イベントにて。このポーキュパインはE90と呼ばれる初期型で、シリンダーがフレームに水平に収められています。




その世界的に超希少車であるポーキュパインが、なんとボナムズのオークションに登場。数ヶ月前から大々的に公表されていたので、世界中のクラシックモーターサイクル、モータースポーツファンがその行方を固唾を飲んで見守っていました。もし落札されれば、これまでのモーターサイクルのオークションの記録を更新するだろうと言われており、予想落札価格の上限では1億円ほどになっていました。現在ウェブサイトを確認したところ、落札されていないようです。残念ながら(?)今回はリザーブに届かずに終了してしまったのでしょうか、、、

2011/08/18

Local Bus Trip





「ロンドンの移動はバスが便利だ。」と今なら言ってしまえますが、イギリスに移り住んですぐの頃はバスが嫌で嫌で。何故ならば

1:時刻表がろくにない。「8-10分毎に来ます。」という曖昧な表記。待っても待っても来ず、そういう時に限って2台3台と続けて来たりする。

2:バス停の感覚が短すぎる。隣のバス停が既に見えているときがあり、走った方が早い気がする。

3:バス停の名前のアナウンスが無いので、ちゃんと目的のところで降りられるのか、不安でしょうがない、、、(現在はほとんどの路線にアナウンスと電工掲示板で表示されていますが) などなど。

しかし、2階建てバス「ダブルデッカー」の上の階のまん前に座り、日光を浴びながら風景をぼーっと見ることは慣れてしまうと気持ちよいものです。バス停の間隔が近いので、降り忘れてもダメージが少ないことも○。ロンドンに来られた際は、是非チャレンジしてみてください。適当なバスに乗ってしまい、適当なところで降りて、適当に目に入ったパブで一杯やる、そんな旅の一日があってもいいかもしれません。帰りは迷ったとしてもそこらへんを走っているタクシーを捕まえて、近くの駅まで乗っても大した金額にはなりませんしね。そんな訳で、この日はバスに乗って、隣の隣の隣ぐらいの街を気ままに散策。



整然とした天井の梁。




アーチの重なり、いいですね。




座席の前には座布団?なのかそれとも膝を付く時のクッションなのか?ハンドメイドのクッションがありました。一つ一つ図柄が違うクロスステッチ。みんなこの教会に来る地元の方が寄付されているのでしょうか?


セント・ポールやウェストミンスター寺院などに行かずとも、素晴らしい装飾を見ることが出来ます。観光客が押し寄せるところは確かに見ごたえがありますが、こうした「地元の教会」に少しの勇気を持って入ってみることも大のおすすめです。凛とした雰囲気があり、座席に座ってしばらく休むだけで、外の喧騒からは想像できない静けさに落ち着くことができます。初めて旅行で来た時にも同じ経験をしました。一方、ウェストミンスター寺院は人だかりが凄く、歩く順序まで決められていた、という思い出しかありません。最後はお土産屋に導かれていく・・・みたいな。




良い雰囲気のベーカリーを発見。



内装&ユニフォームもこだわりで、写真を撮らせていただきました。こういう店がまだロンドンにあるとほっとします。バナナケーキを購入。



うろついていると古い納屋を改装した、ガラクタアンティーク屋を発見。たまたま見つけたランプシェードをお買い上げ。60-70年代のものらしいです。早速家に帰り、アルミ板でステーを作製し装着。あての無い散策でしたが、旅気分を満喫できたバストリップでありました。

2011/08/17

Petrol taps this and that


英車に使われる一般的なタップ達、あれやこれ。サイズも色々あるので、買い替えの際は愛車のタンクのタップのサイズにご注意を。こちらは50-60年代辺りでしょうか。ブラスボディーにメッキがしてあり、ガソリンコックといえ高価。しかも、このタイプはジリジリとガソリンが滲みやすいため困ります。見た目も大事ですが、ガソリンが漏れるのは気まずい・・・ 左からタンク側1/4-- スピゴット側1/4、トライアンフの代表サイズでしょうか。真ん中は3/8--7/16, 右は1/8 -- 7/16 上部にあるのは3/8を1/8に変更するアダプターで、BSAに使用しています。



そしてもう少し古くなると、レバーを押したり引いたりするプランジャータイプに。左のものが、ベロセットについていた 1/4--7/16。右は別のタイプで、3/8--7/16タイプ。黒く変色していますが、ガソリンの漏れをとめるのに、コルクが使われてます。コルク!?と最初はびっくりしました。




ガソリンの流量もそれぞれ違います。大きなサイズの直径だからといって、流量が大きいわけではないんですね。



おススメのタップはこちら。トライアンフだとエンジンがユニットなった63年から使われているようです。このタイプは上記のタイプと比べると安価で、レバーの向きもナットで簡単に固定できるので便利です。最近、漏れが気になっていたフォーバーのトラのタップをこちらのものに替えてしまいました。サイズは 1/4--1/4。



コルク交換準備中。水につけて置くとふやけて柔らかくなりますが、結局荒技での「なんちゃって交換」になってしまいました。コルクが付いているプランジャー本体を買い換えた方が余計なストレスが無くて良かったかも?

2011/08/15

Not "Kuro" -- Arthur


うちのクロ(庭によく遊びに来る、他人様の猫)の本当の名前が分かりました。首輪に小さなメタルプレートがあり、名前と飼い主の方の電話番号が打刻されていました。クロの本名は「Arthur」(アーサー)だそうです。早速、あーさーあーさーと呼んでみるものの、関西人英語の発音はまだ聞き取ってくれないようです?? 「R」発音が苦手な日本人には難しい発音ですな、と言い訳してみる・・・でも最近名前を呼ぶと鳴いてくれるようになった・・・気もします。こうなるとビブの本名も気になるところですが、何だか「千と千尋の神隠し」を思い出しました。

猫って癒されるなぁーとしみじみ思っていましたが、二匹共にバイクのシートに「臭いつけ」している姿を見て素敵な癒しが吹っ飛んでいきました。ぐぅ。

Monobloc 376/66 for Velocette Viper


ベロセットのキャブレター、何とも良い味が出ているモノブロック。スロットルとスライドがぴくりとも動かなかった理由は下記の通り。フロートが別のプレ・モノブロック、ボディーの真横にフロートが一体化されたモノブロック、そしてフロートが下部に収まったコンセントリック。進化が見えて面白いものです。そういえば、レーシング用のGPは最後までフロートは別でした。円筒が重ねられてつくられているデザインが良いですね。年代を遡っていくとまた新しい発見があるんでしょうね~。



ガソリンが溜まったままになっていた部分はこのような有様でした。全て清掃して、必要なところは新しいパーツを組み合わせて見ましたが、古いフロートのニードルがきちんとガソリンをとめてくれずオーバーフローしっぱなしなので再オーダー中。ちなみにこのグローブはMr. Manxさんがイギリスに来られた際にごっそりと頂いたもので、大のお気に入りです。全体的に薄手ですが、指先だけラバーコーティングされています。(このようなものです。http://www.officeliner-tokyo23.com/liner/gi/230617/ )ほぼ使い切ってしまったので、イギリスにて似たものを探して購入しました。オイルまみれになるときはラテックス、その他は前述のグローブで作業しています。指先の感覚も軍手などに比べるとはっきりしているのでおススメです。



フロート室は横のカバーを取るとこうなっています。(清掃前です!)プラスチック製のニードルはオーバーフローしやすいので、上部がゴム?素材のニードルが現在は多いようです。しかし、タンクの中の微細な異物がゴム部にひっかかりやすいので、キャブ本体にフィルターが付かないPreモノブロックやGPはタップのフィルターや外付けのもので予防が必要ですね。ニードルが下に向かって押し付けられる、コンセントリックでは起こりにくいトラブルでしょう。さすが進化型、と言ったところでしょうか。

2011/08/13

Your Number Plate

 モーターサイクルクラシックス Vol.5のサミー・ミラー編にナンバープレートの脱線話が登場します。自分の名前のイニシャルだったり、誕生日だったり、そういった自分用のプレートは「パーソナルナンバー」と呼ばれ、高値で売買されることもあります。その一つのウェブサイトがこちら。http://www.regtransfers.co.uk/ 思い浮かぶ単語で検索してお楽しみください。 桁数が少なければ少ないほど、古い年代のナンバーになるため高価になります。

2011/08/09

Volocette Owner's Club



ベロセットのオーナーズクラブに入会セリ。(車両は私のものではありませんが!)というのは、オーナーズクラブが運営するスペアパーツ会社から、メンバーだけがパーツをオーダーできるからなのです。そうすることで、オーナーズクラブは出来るだけ現存する車両の所在地とモデルなどを把握でき、また良心的な価格でパーツを提供できるようです。実際、パーツのやりくりをするのはクラブのボランティアの方々が行っているようで、オーダーのチェックは基本的に毎週木曜日のみ。オーダーシートもパーツ番号などは手書きで、計算も自分で行います。「ワンクリック、翌日発送」に慣れた現在ではまどろっこしいのも確かですが、そのスローさも楽しみの一つ・・・でしょうか。トライアンフなどと比べるとマイナーな車両なため、その分オーナーズクラブが担う役割も大きいのでしょうね。

ちなみに、トライアンフのオーナーズクラブの会報誌のタイトルは「ナセル」、BSA ゴールドスターは「ゴルディ」、ベロセットはマフラーの形状にちなみ「フィッシュテール」、そしてAJS&マチレスはそのぼってりとしたリアサスの愛称から「ジャムポット」となっています。

日本のベロセット愛好家の先輩方へ: 次号会報の「New Comer」欄に名前が載ると思います。新参者ではありますが、よろしくお願いいたします!

2011/08/07

My new but very old work bench

作業台を新調しました!とはいっても、約100才のハンドメイド・ワークベンチです。ずっと古い木製のものを狙っていましたが、イギリスでは昔の作業台には結構いい値がついています。というのも、ビンテージアイテムとして、キッチンなどに主役級のインテリアとして使われたりするのです。その際バイスは外され、綺麗にリペアされることが多いようですが、そうすると「長年物置で眠ってました。」というものが、「ビンテージ・テーブル」に生まれ変わるわけです。更に、作業台ゆえにサイズも大きく、重量もあるので運送費もバカになりません。

そんなところに運よく、ロンドン郊外からの出物を発見し譲っていただくこととなりました。売主の方が、素晴らしい人柄だったこともあり、思い出深い一品となりました。物を買ったり売ったりとは要するに物々交換な訳ですから、売った方も、買った方も互いに感謝できれば一番の理想だと常々思っています。まさに、そのことを改めて感じた出来事でした。






この取っ手はイギリスの古いインダストリアルデザインでよく使われていたもの。
指を引っ掛けることが前提ですが、良いシェイプです。




イギリスのバイス、といえばこの「Record」。




  もう一つ、大きなレコードのバイスががっちりと固定されているため、これでギアボックス組みなども楽になります。大事に使わせていただきます。


Dear Drew,

I promise I will look after your work bench built by your great grand dad nicely with full of respect! Thank you ever so much again for this great opportunity.

2011/08/06

Friends?

 庭の常連、茶色いネコ「ビブ」とクロネコ「クロ」。最近良くはちあわせ中。気にしないビブに、興味津々のクロ。間合いをじりじりと狭めては、ビブに威嚇されてまた間合いを広げます。一瞬手は出すものの、まだ大喧嘩にはなっていない様子。これからどうなるんだろう?クロのあからさまな間合い詰めをお楽しみください。



ビブが余所見をすると・・・




クロが間合いを詰める。




しばしこのまま見つめあい。




更に大胆アプローチ。




そしてまた見つめあい。

2011/08/04

The Art of BSA Gold Star's Cylinder Heads



BSA ゴールドスターのシリンダーヘッド・シリーズ。ZB、BB、CB、DBD、(DBはここにはありません。)350cc&500ccがBBヘッドには混ざっていますが、この違いが分かってしまう方は本当に病レベルだと思います。いくつかのディティール写真は次回に。

Courtesy of Mr.JP

2011/08/02

Motorcycle Classics vol.5 Triumph ISDT TR6


 モーターサイクルクラシックス 第5号に寄稿させていただいた、「荒野を駆け抜けたサラブレッドたち」から今回はトライアンフ TR6 トロフィー ISDT編をお届けいたします。





 実際にトライアンフのワークスマシンとして1958年のISDTに出場、そしてゴールドメダルを勝ち取った希少な車両です。




真上に伸ばされ弧を描くスロットルワイヤー。障害物に引っかかる可能性を抑えるためのアイデア。そしてトップブリッジに固定されたジャンクションボックスに繋がり、スペアとの交換が容易にされています。



これはご存知ネイル・キャッチャー。鋭利なものがタイヤにささることを少しでも防ぐために生まれたディティール。悪路を走り続けることへの追求が、マシンに様々な工夫をもたらしました。



タンクの固定方式は、ボルトではなくスタッドに変更されており、安全ピンがワイヤリングの替わりに使われています。



リアブレーキにはピボット部への補強が入っています。数十箇所に及ぶ改良が施されたこの車両は、トライアンフのワークスライダーであったジョン・ジャイルズ氏の手によってゴールドメダルを勝ち取りました。そしてその後幾人かのオーナーを経て、レス・ライトさんの手に亘り大事にされています。そのストーリーは是非モーターサイクル・クラシックス Vol.5をご覧ください。大事にされつつも、きちんと乗られているため、始動性も素晴らしく、まさにキック一発でした。



Thank you very very much, Les.



 この一枚は、特集のトップに使っていただきました。撮影を行ったのは、世界標準時で有名なグリニッジにある丘、Black Heath(ブラック・ヒース)。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blackheath.jpg 

Motorcycle Classics website

これまでの寄稿をサマリーでまた紹介させていただきます!